| 職業柄、時間が不定期なのも、徹夜もアリオスは慣れている。…が、慣れていないのは小さな天使への対応で。 「アンジェリーク、寝てもいいんだぞ」 アリオスがそう声を掛けても、小さな天使はふるふると首を振る。急ぎのレポートの依頼をして来た同僚に恨みすら感じて来るが、それはまぁおいておくとして。どうしても、徹夜になりそうなので、小さな天使に先に寝るようにと言っても、聞かないのだ。 「……」 アリオスが寝ないんなら、自分も寝ないという固い決意が秘められた瞳。別に、小さな天使はじゃれついたりして、アリオスの邪魔をする訳ではない。ただ、アリオスからすれば、眠そうに目が潤んでいるのに、自分の徹夜になりそうな状況に付き合わせたくはないのだ。すやすや眠る小さな天使の姿だけで、十分な癒しになるのだから。 「寝ないと、明日が辛いんだぞ」 そう何度も言い聞かせているのに、小さな天使は首を振るだけ。 「アンジェ」 「……」 諭すようにアリオスの声のトーンが変わると、小さな天使はアリオスの服の裾をキュッと掴む。小さな手で。精一杯の力で。こうなると、なかなか離れない。 「……」 眠くったってアリオスの側にいたい。一人で冷たいベッドの中にはいたくない、と。小さな天使は精一杯に訴えて来る。そして、いつもアリオスは負けてしまうのだ。 「眠かったら、寝るんだぞ」 「♪」 天使専用のビーズクッションを側に置いてやると、パタパタと嬉しそうにそれに埋もれる。その様子を見てから、アリオスはパソコンに向かい出した。 パソコンに集中して一時間。ふと、傍らの天使に目をやると、すやすやと寝息を立てている。 「ベッドに行くか?」 そう問い掛けると、眠りの中にいるはずなのに、小さな天使は嫌々と首を振る。 「仕方ねえなぁ……」 ブランケットを掛けてやって、その寝顔を見つめる。幸せそうな寝顔に癒される気がするアリオスであった。 |
結局、天使に甘いんだよ。この人……。
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