| アリオスの住むマンションのリビングには床暖房がついている。一人で暮らしていた頃は別に床が冷たかろうが、暖か労がどうでもよく、家具や絨毯等も好きではなかったので、テーブル以外は何もない状態に等しかったのだが、小さな天使が彼の元にやって来てからは話は別である。 柔らかな羽毛のクッションは天使専用であるし、朝には冷たい床の上にはかわいそうだと、床暖房もつけるようになった。 そんなある日のこと。日中でも冷え込む日であったので、アリオスは床暖房をつけていた。小さな天使はぽかぽかの床に寝転がってあやとりで遊んでいた。アリオスが勤務先の病院で患者の子供に教わったのを、小さな天使に教えてやったのだが、結構楽しんでいるらしい。時々、糸ごと絡まって、アリオスに泣きついたりもしたが、それはそれで可愛らしかった。 「アンジェ、ホットミルクでも飲むか?」 自分のコーヒーのついでにと声を掛けて見たが、返事がない。 「アンジェ?」 「……」 やはり返事がなく。覗きこんで見ると、手にあやとりの糸を絡ませたまま、小さな天使はすやすやと寝息を立てていた。その様子にアリオスはフッと笑みをこぼす。 「こら、また羽ごとからんじまうぞ」 そう言って、小さな天使の頬をぷにぷにとつつくが、小さな天使はむずがるだけで起きようともしない。 「仕方ねえな……」 小さな天使の指から、あやとりの糸を外してやり、アリオスも小さな天使の横に寝転がる。 (あ、確かに温くて、気持ちいいな……) 背中からぽかぽかと伝わるぬくもりに眠気をいざなわれ、そのまま眠りに落ちてしまう。 夕方まで、リビングですっかりお昼寝していたふたりであった。 |
我が家に来た友人はみな、床暖房をつけると、うつらうつらします。恐るべし、床暖房…と言うことで、書いてみましたw
‖<BACK>‖