冬の夕方はかなり冷え込む。一日家の中でぱたぱたと小さな羽を羽ばたかせて飛んでいても、全身がぬくもるとは限らない。
「……?」
 帰宅するなり、じっと自分の手を見つめるアリオスに小さな天使は小首を傾げる。いつもだったら、ぎゅっと抱き締めてくれるのに。
「真っ赤じゃねえか……」
 そう言って、アリオスは小さな天使の両手を自分の両手で包んでしまう。ぎゅっとしてくれないのは嫌だけど、これも悪くはない、そう思った小さな天使はにっこりと笑う。
「お前、分かってねえだろ」
 ご機嫌な小さな天使にくアリオスは苦笑する。帰宅して、気付いたのは小さな天使の小さな手が紅葉のように真っ赤だったこと。リビングは日差しが差し込んで暖かいからすっかり油断していたが、夕方には冷え込んでしまうのだ。可愛らしい、紅葉のような手が本当に赤くなってしまうことはとても忍びない。
(手袋でも買ってやらないとな……)
 末端の冷えは暖房をつけるだけでは根本的な解決にはならない。ちゃんと暖めなければ。
「どんな手袋がいいんだろうな……」
 ようやく、紅葉色の小さな手はいつもの肌色に戻る。すっかりぬくぬくの自分の手に、小さな天使は嬉しそうに笑うと、解放された両手でぎゅっとアリオスに抱き付いた。


 その後、ボンボンがついた真っ白なミトンの手袋が小さな天使の手を包んでいたのはいうまでもない。

ちなみに、なくさないようにミトンの手袋には紐がついてます。それはアリオスがつけました。


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