外は緑と黒の縞模様。中は夏にふさわしい真っ赤な色。スプーンでそれを一口サイズずつ、アリオスはすくってゆく。
「ほら、アンジェ。あーん」
「♪」
 小さな天使の口まで運んでやると、天使は嬉しそうに口を開けて、スイカを口にする。
「うまいか?」
「♪」
 パタパタと羽を動かして、アンジェリークは満足そうに笑う。
「そっか、よかったな……」
 こんなに喜んでもらえて、アリオスも悪い気はしない。天使が寝ている間に、バイクを飛ばして郊外の農家が主催している朝市まで買いに行ったかいがある。冷蔵庫で十分に冷やしたそれを小さな天使に見せた時にはボールと間違えたのか、ポンポンと叩き、違和感に頭を悩ませていた。その様子を可愛いと思うのも末期であれば、試しにスイカを持たせてみて、落とさないように必死でこらえる姿を眺めていたのも末期であろう。その後、期限をとるのに容易でなかったことは言うまでもないが。
「まだ食うだろ?」
 そう言いながら、アンジェリークが食べやすいようにすくったスイカをまた天使の口元に。あーんと口を開けて、満足そうにスイカを頬張る。
(まるで、ヒナに餌をやる親鳥だな……)
 何と無くそんな心境に陥る。最初はスイカを切って与えようとしたのだが、小さな天使には食べるには容易ではなくて。種があるから、ますます食べにくく、途方にくれた顔をする天使のためにアリオスがこうして食べさせている。
「〜♪」
 満足そうにスイカを食べる小さな天使の姿に満足しているアリオスであった。

西瓜食べたいなぁ……


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