R18なYシャツのOしり
| 白いワイシャツからのぞく象牙色の肌の足は自称年寄りの割にはきめ細やかですらっとしている。アーサーは思わず、息をのみ、その足に釘付けになる。 「何じろじろ見ているんですか?」 見られている菊の口調がいらっとしたものになるのは仕方のない話がある。 会議中、いつものごとく喧嘩を始めたアーサーとフランシスであったが、イギリスがフランスのコーヒーをぶちまけたのをフランシスがよけたのだ。そして、よけた先には菊がいて。もろにコーヒーをかぶる羽目になってしまった。着替えはホテルに置いてきている。急いでクリーニングに出している間に、替えのスーツを持っていたアーサーにそれを借りることにしたのだ。 だが、それには一つだけ問題があった。 「しかたねーだろ。おまえがそんな格好でいるから」 「それこそ、仕方ないです。体型が違うんですから。フランシスさんが新しいの買ってくれるって言ってくれたのに! 勝手に断って」 身長差からくる手足の長さからくる袖余り、裾余り等はそれを追ってしまえばいい話なのだが、問題はウエストの差だ。ベルトでもどうにもならない。コーヒーまみれになったとき、フランシスが新しいものをすぐに手配してくれようとしたのだが、アーサーが泣いて嫌がったのだ。曰く、絶対食われる。服を贈るのは下心があるからだ…という理屈である。 『愛されてるね、菊ちゃん』 苦笑混じりでぽんぽんと肩を叩かれた菊はとてもいたたまれない気分になった。控え執拗の部屋を空けてもらい、こうして着替えようとして、今に至る。 『大人げないんだぞ、アーサー』 アルフレッドですら空気を呼んだ発言をしてくれた。 「あなた、最近、ハンバーガー食べ過ぎじゃないですか? どうして、こんなにウエストが余ってぶかぶかなんですか?」 もはや、八橋にくるむこともしない。それくらい、憤っているのである。 「なんだよ、アルフレッドじゃあるまいし、それは」 「いえ、以前、何かの記事で英国の方はハンバーガーを一流シェフの料理と見まがうくらいにおいしく感じると読みましたので」 英国と言えば、料理の腕がまぁ…な国である。某ファーストフードのハンバーガーをこの上ない味似も思えるのだろうと、そのとき菊は納得したのだ。 「普通に体格差でいいじゃねえか」 「……早くクリーニングが終わりませんかね」 何が楽しくて、こんな萌え御用達な格好と自分でしなければならないのか。彼氏のワイシャツをワンピースのように羽織るのは二次元の女の子だけでいい 。菊だって、日本男児である。いろいろとプライドがあるのだ。 (バラの香りがする……) バラに囲まれた生活をしているためかアーサーのシャツからは、バラの香りがする。なんとなく、アーサーらしくて、菊はクスクスと笑った。 「何だよ」 「いえ、バラの香りが……。アーサーさんの服なんだなぁ…って、思ってしまって」 菊にしてみれば、何気なく言った言葉であったのだが、アーサーはこの上もなく真っ赤になってしまった。 「アーサーさん?」 「おまえ、何で可愛いこと言うんだよ! 馬鹿ぁ……」 「可愛いって……」 自分の言葉のどこがアーサーの琴線に触れたのかがわからない菊は唖然とするだけである。 「ズボン、畳んでおきますね。しわになっちゃいますし」 そう言って、床に放置して置いたズボンを畳もうと菊がかがむ。 「ちょ、菊、おまえ……」 「は、アーサーさん?!」 いきなりガバッと後ろから抱きしめられて、菊は動揺するしかない。 「なぁ、クリーニングが終わるまで待つだけだよな?」 「ええ、そうですね。この格好じゃお茶にもいけませんし」 心なしか、アーサーの息づかいが荒い。後ろから抱きしめられているから、確認できないが、何となくせっぱ詰まった顔をされている気がする。 「時間つぶしにつきあってやろうか?」 「ちょっ、何言い出すんですか?」 この場合の時間つぶすはろくなことじゃないと過去の経験から容易に察することができる。 「ここ、控え室とはいえ、みんなが使う場所ですよ? 何考えてるんですか?!」 「何って……。おまえが誘ったんだろ?」 「はぁ?!」 責任転嫁に菊は唖然とする。 「おまえ、かがんだり、ちょっと身をよじったりしたら、シャツの裾から尻が見えてるんだぜ? ちらちら、見えてるんだ。誘われてるとしか思えないだろう?」 「あなたのせいじゃないですか〜」 着替えに借りたスーツが入らないからこそ、この格好に甘んじるしかない菊にしてみれば、曲解もいいところである。 「な、いいだろ?」 「いやです! 夜ならともかく、こんなに明るい昼間っからなんて、常識的に無理でしょう?」 何とか身を捩って菊はアーサーの腕から逃れようとする。 「いてぇ!」 アーサーの足を思い切り踏みつけ、腕の力がゆるんだ瞬間、菊はそこから逃れた。 「いいです。だったら、フランシスさんに服を調達してもらいます! 身の危険を感じてるって言えば、納得してくださいますし」 「それは駄目だ!」 「じゃあ、昼間っから、おそわないでください。あなた、英国紳士でしょう? TPOくらい、わきまえてくださいよ」 「う……」 英国紳士の単語を出されてしまえば、アーサーとしても、おとなしくせざるをえない。だが、転んでもただでは起きないのは、英国紳士であると同時に海賊でもあった名残か。 「じゃあ、TPOをわきまえればいいんだな」 「はい?」 ニヤリ…と、エロ風味が入ったいやな笑顔に菊の背中に冷や汗が流れる。 「そうだな。時と場所の問題だもんな。じゃあ、夜に俺の部屋でいいな?」 逃げようと思ったら、別のフラグがたってる状態に菊はどうしたものかと考えるが、彼は簡単に逃がしてはくれないだろうと言うのはこれまでの経験上わかっている。 「あ、う……」 「善処するとかいったら、ここで襲うぞ?」 「わ、わかりました……。私も日本男児です。二言はありません」 なぜ、こんなことに…と思うが、アーサーと二人きりの状態になったことに対する自分の甘さがあったのかもしれない。 (やっぱり、エロ紳士……) 恨みがましい目で見るが、夜の約束を取り付けたアーサーはそれを気にすることなく、むしろ、どういうプレイをするのかに思いを馳せるのであった。 |
R18以外はクリアw
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