Best Student?

「私だって、やればできるんですからね!」
 そう宣言して、キッとアーサーを見上げる菊。
「やってみろよ」
 挑発するように唇の端をあげてみせると、菊はスッと背伸びして、アーサーの唇に指を這わせる。
「紳士と称する割には無粋な唇は塞ぐしかないですね」
 そう告げると、菊はゆっくりと唇を近づける。ぎりぎりふれる直前。けれど、いつまでもふれてこない。
「おい……」
「キスの時は目をつぶるのがマナーでしょう?」
 じれたアーサーに菊はクスリと笑って告げる。
「どこで覚えた?」
「あなたが教えたんでしょう?」
 至近距離で見つめる黒水晶の瞳は艶めかしく輝いて。アーサーを捕らえてしまう。いつもと違う…仕掛けるのは菊からと言うことが新鮮だからかもしれない。
(菊はいつもこんな気分で俺を受け入れるのか?)
 もし、そうだというのなら、それはアーサーにしてみれば喜ぶべきこと。
「キスの時にほかのことを考えるのは無粋ですよ?」
 声にすら、艶。いつかのキスの時に、アーサーがささやいたことがあったかもしれない言葉。アーサーから学んだ…アーサーが教えたことを元に菊が仕掛ける。それが何より、アーサーを煽る。
「ん……」
 瞳を閉じて、ようやく唇が触れる。最初に口づけたときはたどたどしい口づけしかできなくて、アーサーに翻弄されてばかりだったのが嘘のようだ。唇を割って、入り込んでくるのは柔らかな舌。アーサーの舌をからめとって、深く口づける。息継ぎすらも、苦手だったのは嘘のようだ。
「綺麗ですよ、アーサーさん……」
 そう言って、妖艶に微笑んでみせる菊。
「やればできるでしょう?」
「ああ、俺の教えががよかったからだろう?」
 菊の言葉にそう応えると、菊はクスクスと笑う。肯定も否定もしない。
「笑うなよ。でないと、塞ぐぞ」
「紳士が言いますか?」
「紳士でいさせたいなら、な」
「ふふ」
 これ以上小生意気な口は塞ぐぞとばかりに、アーサーは宣言通りに菊の唇をふさいだ。


受信した電波をアーサーがいいように解釈したww

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