Trick or Treat?

 ハロウィンの習慣が日本に取り入れられたのはここ数年の話である。今は結構普及されていて、某テーマパークなどは9月から、ハロウィン関連のイベントが行われている。
(地蔵盆みたいなものかと思ってましたが、みなさん、商魂たくましいですねぇ……)
 そんなことを考えていた頃が何故か走馬燈のように脳裏をよぎる。ああ、死期が近いのかな? なんて、死亡フラグ?と現実から逃げたくなる。
「Trick or Treat?って、言ってみろよ」
「と、とりっかー、とりーと?」
「相変わらず、発音が下手だな」
「うう……」
 ハロウィン当日、裸に近い狼男のコスプレをしたアーサーにこう迫られたのだから、ある意味無理はない話で。しかも、英語の発音についてもしかられるのは理不尽な話だ。RとLの発音の違いなんて、日本人にはどうでもいいことだ。
「ま、いい。Trick or Treat?の意味は分かるな?」
「お菓子かいたずらか、ですよね? ちょっと待ってくださいね。今、ちょうどお散歩のともにしている飴がありますので……」
 そう言って、懐を探ろうとする菊の腕を掴むと、アーサーはとてもいい笑顔で言った。
「何を言ってるんだ? 俺はおまえにTrick or Treat?を言わせたんだぜ? 言われた方がお菓子を出すだろう?」
 その言葉とともに、どこから取り出したのか、アーサーはスコーンを取り出す。失敗が少ない食べ物の例であるはずのそれは何ともいえない焦げ色と異臭をわずかにはなっている。
「お菓子かいたずらを選ばせてやるぞ。あ、いたずらはもちろんおまえがやる方だ」
「ちょ……」
 ああ、やはり死亡フラグだったのか…と、菊は脱力する。とてもいい笑顔すぎるのは、紳士ではなく海賊モードだろう。
「ぜ、善処します」
 そう答えるのが精一杯。
「じゃあ、俺がいたずらするぜ? ああ、性的な方でな」
「……」
 どっちにしても地獄である。っていうか、去年のハロウィンの仕返しにしてはたちが悪すぎるんじゃないか、ひたすら混乱する菊であった。


昨年の本家のハロウィンネタのリベンジでお願いしますw

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