Reason?
| いつも寝とぼけていた、記憶喪失の青年の本当の姿にカナンとセレストはただ驚愕するしかなかった。 「エルダーは自分の眠りを守るためにあのエンジェルナイトを、か……」 「そうですね……」 彼がかつての大いなる驚異であったウルネリスの一翼であったことにショックは大きかった。いい友人になれると信じていたから、だ。 「エンジェルナイトがフォンティーヌの姿だったのは彼女を偲んでのことだったのかもしれませんね」 「そうかもしれないな……」 そんな会話をしていて、ふと、カナンは考え込んだ。 「どうかなさいましたか?」 「いや、フォンティーヌが司るのは静謐だったよな? お前もすやすや寝てたし……」 「すみません……」 かつてのことを言われて、セレストはいたたまれない。 「ああ、そういうつもりじゃない。すまない……」 「いえ……」 微妙な空気が流れる。その空気の流れを断ち切るようにカナンは言葉を続けた。 「やっぱり、眠りを護りたかったのかなぁって思ったんだ」 「……それって。まさか……」 「否定しきれないだろう?」 記憶喪失とはいえ、あそこまで寝てばかりなのはどうかと思う。まじめな顔はほとんど見られなかった。あの時、だけだ。 「気分だけでも、静謐を感じられるんじゃないかなぁ…と思ったんだが」 「ありえそうですよねぇ……」 静謐を司る天使に似せたエンジェルナイトがその力を持ってるとは思えないけれど。やはり、否定できないまま、顔を見合わせる二人であった。 |
で、こちらがペーパーに載せた話。なんとなく思いついたの
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