さくらんぼ

 小さな赤い可愛らしい果実は目の前の小さな王子様には大きく映る。セレストにとって小さなサイズの果実でも、10センチサイズの小さな王子様にはとても大きな果実に見えるのだ。それがたくさんお皿に入っている。
「食べていいのか?」
「ええ。そのために買って来たんですから。ご存分に食べてくださいね」
「うん!」
 きらきらと瞳を輝かせて、さくらんぼにかじりつくカナン。それを見て、ほのぼのとしないはずがなく。
「おいしい! ものすごく美味しいぞ、セレスト!」
「そうですか?」
 満面の笑顔で、うれしそうに言われたら、セレスとも微笑まないわけには行かなくて。
「もっと食べていいですよ」
「うん。でも、お前も食べろ!」
「はいはい」
 輸入物ではなく、国産のさくらんぼ少し高かったけれど。やっぱり、喜んでもらえるのが一番である。うれしそうにさくらんぼにかぶりつくカナンにうれしくなって、セレスともさくらんぼを口にする。さわやかな甘酸っぱさが口の中に広がって。幸せな気分になった。

可愛らしい話を、と思いまして。さくらんぼは国産のが好きですw