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「これはフライドポテトではないのか……」 「それは“いもけんぴ”と申す。サツマイモの菓子だな」 「こちらもサツマイモのカラメル和えもいける〜。ゴマをまぶしてあるのがいいな」 「それは大学イモですな」 出されるお菓子にうんうんと堪能するカナン。そして、悪い気はしていないであろうサメライ屋主人。 「すみません、ご馳走になってしまって……」 申し訳なさそうに言うセレストに主は鷹揚に笑う。ますます申し訳ない気分になる。元々はシェリルのパン屋でハロウィンにちなんで、かぼちゃのパンだの色々な新製品を作った。色々と世話になったから、届けて欲しいと頼まれたのだ。頼まれたのはセレストだけだったのに、なぜかカナンに知れてしまい、今に至る。 「JAPANのお菓子がこのように美味しいとは思っていなかった」 「かぼちゃ餡の饅頭もあるが、それも食すかな?」 「いいのか?」 「気持ちよく食べてくれるのはこちらも気持ちがいい。正宗、お茶をもういっぱい入れてくれ」 「御意」 すっかりくつろいでお貸しをぱくついているカナンをこれ以上何か言うのは、主や正宗に失礼に当たると判断した、セレストはせめてお茶の手伝いはしようと、正宗を手伝うのであった。
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