使用方法

 執務を終えて、私室に戻ったアンジェリークはテーブルの上に置かれていた紙袋に戸惑った。外界のデパートのものらしい紙袋だ。
「何かしら……」
 ドキドキしつつ、開けてしまう。警戒心の欠片もないらしい。(もっとも、女王の私室には選ばれた人間のみしか入れないので、ある程度は安全かもしれない)
「へぇ……」
 開けてみると、そこにはタオル地のようなもので出来た長いスカートのようなものが入っていた。パステルブルーのチェックが中々可愛い。
「でも、これ、スカートにしては長くないかなあ……」
 ウエストは緩やかなゴムのもの。アンジェリークは腰がそれなりには細いので、腰では引っ掛からず、お尻の部分になりそうだ。
「どうしよう……」
 うーんと悩んでいると、コンコンとノックの音。
「俺だ、入るぜ」
「あ、はーい」
 アンジェリークの返事と同時にアリオスが入ってきた。
「あれ、その袋……」
 アリオスが手にしている袋はテーブルに置かれていたものと同じだった。
「あぁ、もう開けたんだな。視察に行ったついでに買ってきたんだ。こっちはカーディガンだ」
「あ、うん」
 渡された紙袋はレース地のこれも可愛いカーディガンだ。
「それだけじゃ寒いだろうしな」
「寒いって……。ねぇ、これって何? スカートにしちゃ長いし、ぶかぶかよ。アリオス、私のサイズは知ってるでしょう」
 別に深い意味を考えて言ったわけではなかったが、その言葉はアリオスの琴線に触れたらしい。
「そりゃあ、な。毎晩見て、触ってるしな?」
「ば、馬鹿〜」
 途端に瞬間湯沸かし器のようにアンジェリークは真っ赤になる。それを見て、アリオスは楽しそうに笑う。
「使い方を教えてやるよ」
 そう言うと、アリオスはアンジェリークの腕を掴んで、そのままバスルームに向かう。
「あ、アリオス? 使い方を教えるって……?」
 使い方を教えるのと、バスルームに何の関係があるのかと訴えるアンジェリークに対し、アリオスは本当に楽しそうな表情。
「百聞は一見にしかずって、あっちの宇宙の地の守護聖殿が言うぜ? ま、試してみろって……」
「ぜ、絶対何かが違う〜」
 抗議してみても、結局はそのまま引きずられていったアンジェリークであった。


 そして、半刻ほど過ぎて。風呂上がりのビールを満喫しつつ、アリオスはアンジェリークを見つめる。
「それはバスローブだよ。そういう可愛い系が好きだろ?」
「好きだけど……」
 ウエストでひっかけるのではなく、胸の上の部分でひっかけると、丈は丁度いい。ただのバスローブよりは可愛いけれど。
「何も風呂に入って、あ、あんなことしなくったって……」
 思い出すと恥ずかしいのか、アンジェリークが真っ赤なのは湯上がりのせいだけではないらしい。
「いや、胸で引っ掛かるかどうかの最終確認だろ? 足りなかったら、大きくしなきゃいけねえしな」
「あ、アリオスの馬鹿〜」
 ぽかぽかとアリオスの胸を殴るのをしばらくは好きにさせておく。しばらくしてから、アリオスはアンジェリークの腕を掴んで不敵に笑った。
「な、何よ……」
 嫌な予感がする。立ちずさろうとするアンジェリークの腕を掴む手の力は緩まない。
「男が女に服を贈る意味は知ってるよな……」
「し、知らない……」
 ブンブンと首を振るが、それで逃れられるはずもなく。
「じゃあ、実践だな」
 そう言うと、着たばかりのバスローブはすぐに脱がされてしまう。
「アリオスの馬鹿〜」
 そして、実践はうまくなされてしまうのであった。

お礼創作がこれでものすごく申し訳ない……。