お月見

「お月見〜」
 ススキを飾り、月見団子を飾って、小さな王子様、カナンについついセレストは笑みをこぼす。カナンが通販で取り寄せたらしい浴衣を着付けるのには苦労はしたものの(小さすぎて、浴衣の帯を締める力加減に戸惑ったためである)、カナンが喜んでいる様子に満足する。
「うさぎのついたもちはどうやったら手に入る? どうやったら、月にいける?」
 無邪気に問いかけるカナン。
「申し訳ありません……。私の作った月見団子しか用意できなくて……」
「むぅ。それはそれで全部食べるからいいんだ」
「全部、ですか?!」
 飾れるほどの量である。同僚に分けるつもりであったのだが。
「おなかを壊しますよ?」
「大丈夫だ!」
 どこからそんな自信が、と思いつつも、やはり微笑ましくて笑みをこぼしてしまうセレストであった。

どこに入るんでしょうorz