Let's Cooking!


 ふわふわの抹茶のシフォンケーキに小豆あんと生クリームを添えて、緑茶と共にいただく。
「おいしい〜♪」
 ケーキに舌鼓を打つアンジェリークをアリオスは何とも言えない気分だ。
 彼女の故郷の宇宙を治める金の髪の女王はお菓子作りである。時々、こちらの宇宙にも
届けてくれるのだ。アンジェリークはそれを楽しみにしていて。届けてもらうと、至福の表情で
食べる。それはもう、そこにアリオスの存在があるのを時々忘れているのではないかと思うほどに。
「やーん。ふわふわ〜。あんこもぴったりあってる〜」
 泣き顔よりも笑顔の方がこの天使には似合っているとは思うから、何も言わないで置こうとは
思う。だが……。
「もう、幸せ〜」
だの、
「ああ。もう。何で陛下ってばあんなに可愛いのに、お菓子作るのも上手で……。守護聖様たちが
うらやましいなぁ」
だの、
「ああ、いっそ。男だったら、プロポーズしたい気分」
だのを毎回、聞かされるのは男としてどうかと思う。
「…女の発言かよ」
 …とこれが精一杯だ。
「どうして? 陛下ってば可愛いし。お菓子つくりも上手だし。ポイント高くない?」
 そこに性格が入っていないのは、気のせいなのだろうか? それとも、あの破天荒な性格は同性の
目から見たら、微笑ましく映るものなのか、謎である。
「…っていうか、お前の場合は貸しを作ってくれる人間なら誰でもいいような発言だな」
「何よ、それ。確かにお菓子を作るのが上手な人だったら嬉しいけど」
 否定をしないあたりがなんだかなぁとも思う。いくらなんでも、恋人に対してかなり問題がある発言
ではないだろうか。
「そうか。なら、作ってやろうか?」
「アリオス、お菓子を作れるの?」
 目を輝かせるのは正直どうかとも思う。だが、アリオスは悪戯を思いついたときのような表情で言った。
「ああ。極上の材料があるからな」
「へぇ。私も手伝う?」
「いや。お前はいい。お前が材料なんだからな」
「え?」
 その発言に戸惑った時にはすでに遅く。アンジェリークはキッチンにずるずると引き込まれた。



「……っ」
 熱い吐息とピンクな空気がキッチンにこもり始める。
「いい感じに仕上がってきたな」
「やだ、馬鹿、っぁ……」
 柔らかな胸をアリオスの手がもみしだく。すでに硬くなった胸の尖りを指ではさみこんでなぶることは
忘れてはいない。
「記事は耳たぶの柔らかさがちょうどいいんだって、この本にも書いてあるぞ? ちょっと柔らかいかな?」
 ご丁寧にキッチンにはちゃんとお菓子の本もある。かといって、この現場で役に立つわけではない。
キッチンに連れ込まれるや否や、ディープなキスを受け、足が立たなくなったのを見計らって、いいように
服を脱がされ、あれやこれやにいたるのである。
「あ、やだぁ……」
「やだ、じゃないだろ? シロップも必要だろう?」
 すっかり濡れそぼったそこに無遠慮に指が差し込まれる。くちゅり、と濡れた音がキッチンに広がる。
「っ、あぁ…んっ!」
「いい味になってきたな」
 抜き出した指をぺろりと舐めて、アリオスはにやりと笑う。
「じゃあ、仕上げをしなきゃな」
「あ、やぁ!」
 シンクに手をついたまま、後ろから貫かれてアンジェリークの背中が大きくしなる。
「あ、あぁ……」
 激しい動きに心がついていかない。冷たいシンクの感覚が熱い身体をさらに熱く錯覚させてゆく。
「だめ、も、……」
 限界を訴えるアンジェリークの締め付けに、アリオスもまた自分の限界を感じていて。
「ああ、仕上げだな」
「やぁ…ぁ……!!」
 より深くアンジェリークの中を貫いて、アリオスはアンジェリークの中に全てを吐き出す。それを受けて、
アンジェリークもまた頂点に達した。


「……アリオスの馬鹿」
「なんだよ、最高の材料を美味しく調理しただろうが」
「……私、食べられる方なの?」
 抗議の視線を向けるアンジェリークに対し、アリオスは意地悪な笑顔を浮かべる。
「じゃあ、次はお前が俺を調理するか?」
「え?」
 いきなりの話の展開にアンジェリークはついていけない。
「じゃあ、エプロンを用意しないとな。後は……」
 などと、アンジェリークの意思を無視しての話を進められて。
「楽しみにしてるぜ、アンジェリーク」
「……」
 意地の悪い笑顔のままでさわやかにすら告げてくるアリオスにアンジェリークが気の遠くなるような
感覚を覚えた。


 そして、後日……。
「や、やだ。こんな恰好!」
「エプロンとキッチンといえば、裸エプロンが男のロマンだろうが」
 という会話がキッチンでなされたことは言うまでもない。



…よしのさくら様、tink隊長に捧げます(すみません、すみません……)

さくら様にイベントでいただいたケーキがおいしかったんですよ。で、お礼に…と思って書いたものでした。
恩をあだで返してどうするよ、わたし……