更に男の浪漫
男の浪漫…再び 「ケーキをおごることが男の浪漫らしいぞ?」 「……どこの世界の話ですか?」 「ものの本だ」 「どこのものの本です」 相変わらず、男の浪漫とやらを追及してやまない主にセレストのため息は尽きない。 「だから、僕にケーキをおごれ」 「今日のおやつはケーキです」 「むぅ。お前に男の浪漫を体感させてやろうといっているのに。じゃあ、僕におごらせろ」 「お忍びは認めません!」 「セレストのけち〜」 主の不満の声が聞こえてくるが、この場合は知ったことではなかった。 「なぁ、セレスト。男の浪漫についてなのだが」 「また、ですか?」 「裸エプロンは何となくわかるんだが、素肌にワイシャツがよく理解できない」 「理解できなくていいです……」 「僕には理解できないが、お前は理解できるのか?」 「……」 答えに詰まってしまう自分のふがいなさが悲しい。人生経験をつんでいるということは、まぁ、そういうこともそれなりにつんでいて。 「まず、お前が見本にやってみてくれ」 「今は執務中です。制服を脱げとでもおっしゃるんですか」 「むぅ。なら、夜這いに行けばいいのか?」 「ですから、そういうことをおっしゃらないでください〜」 男のロマンを追及するカナンの辞書にはもちろんセレストの気苦労という文字は入っていなかった。 そして、夜。宣言どおりに夜這い…というか、素肌にワイシャツを見に着たカナンにため息をついて、セレストは制服を脱ぐ。そして、中に着込んでいたシャツのボタンを全部外した。 「多分、こういうことなんですよ」 「う、うむ」 きっちり着込んでいるのではなく、外したボタンの間から覗く鍛えられたからだがちらちら覗いていて。少しばかり、カナンの胸は高鳴る。 「カナン様も着てみますか?」 「僕はシャツは持ってきてないぞ」 「私のでよろしければ、ですが?」 「う、うん……」 セレストが着ていたシャツを脱いで、カナンに手渡す。当然、セレストは上半身裸で。カナンは思わず真っ赤になるが、それを振り払うかのように上半身の服を脱いで、セレストのシャツを羽織った。 (うわっ、セレストのにおい、だ……) いつも自分を包み込んでくれるそのにおい。心臓が高鳴ってしまう。そんな華南の様子を見て、セレストは微苦笑を浮かべた。 「どちらかといえば、私のロマンかもしれませんね?」 「?」 セレストの言葉にカナンは首をかしげる。 「男の浪漫、の話です。私の服に着られている感じがその、そそるというか……」 「ば、馬鹿者!!!」 体格差のことを言われて、カナンは真っ赤になる。素肌が見えるとかそういうことだけではないらしい。 「奥深いものなのだな……」 「そう、かもしれませんね」 それでも、素肌に羽織ったシャツを脱ごうとしないカナンにセレストは優しいキスをした。 |
正確には好きな女の子にケーキをおごることが男の浪漫だそうです。火原先輩談。(でも、つっちーや柚木先輩も好きですw)
素肌にワイシャツは体格差のあるカップリングなら、浪漫ですよねぇ〜。
また、あほな話ですみませんw