男のロマン
| 「セーラー服は男のロマンだと、ものの本に書いていた。それで棚、通販で取り寄せたんだ」 「はぁ……」 こぶしを握って、カナンは力説する。おやつを持ってきたセレストはとりあえず、テーブルにそれを置くと、思いっきり脱力感を感じだ。 「たまには違うシチュエーションも燃える材料になるとも書いていたんだ。だから、お前もその気になるかと思ったんだ」 「……」 「なのに、何かが違う気がするのはなぜだろう?」 「思いっきり違います」 目の前の主であるか何の姿に思いっきりセレストはため息をつく。セーラー服は男のロマン、その言葉をどのようなものの本に書いていたか、カナンの部屋の蔵書の点検も必要だとも思う。プライバシーの問題以前に、一国の王子がそんな偏った知識を持つのもどうかと思うのは間違いだろうか。 「お前はその気にならないのか?」 「……恐れながら、そのセーラー服は軍服のひとつですし……。ものの本とやらに書いてあるセーラー服とは用途が異なりますから」 「え〜。そうなのか?」 「……本来は水兵の着る服なんですよ。カナン様が読んだものの本のセーラー服とは多分、女学生の制服のことだと思います……」 なぜ、こんな説明をしなければならないのか。自分がとても悲しくなる。カナンが着ているのは間違いなくセーラー服。だが、セレストが説明した前者である。セーラー服に半ズボン、そして、帽子に。ご丁寧に旗まで持っている。半ズボンからのぞく生足がちょっとだけまぶしいが今は昼。そして、脱力感にとらわれて、その気になるどころではない。 「かもめの水兵さんって曲があるでしょう? その水兵さんが着てる服ですよ」 「そうか、軍服の一種か。でも、これもある意味、コスプレだな。どうだ、萌えないか?」 「……。これから、カナン様の蔵書の点検を行いますから、カナン様はおとなしくおやつを食べていてください」 「え〜。プライバシーの侵害だ〜」 ぶーぶーと文句を言うカナンにますます頭痛とため息の数が増えるセレストであった。 |
お題の趣旨とかなり違う…と思う。あほな主従ですみません(汗)
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